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顔部

1 醜状障害・外貌醜状

醜状障害とは、怪我自体が治っても傷痕が残ってしまった場合について後遺障害として評価される場合があります。ただし、傷痕が残ればどんな場合でも認定されるわけではありません。これはまさに見た目への影響を後遺障害の対象としていますので、傷痕が残ってしまった部位、その大きさが後遺障害として認定されるかどうか、認定されるとして何級に該当するかの重要な判断要素となります。
後遺障害として認定される場合、7級、9級、12級、14級のいずれかに該当することになりますが、それぞれ詳細な基準が設けられています。
醜状障害としては、顔面部が最も等級認定されやすい部分になりますので、顔部の項目で紹介していますが、上下肢(ひじ関節以下・膝関節以下)の傷痕でもてのひらの大きさのものが残っていれば等級が認定されます。
醜状という障害は、傷跡が残ってしまったご本人にとってはとても気になる問題ですが、お医者さんにとっては、外科的に治っていると傷痕が残っていても問題無いものと判断し、後遺障害診断書から醜状障害についての記載が漏れている場合もあるので要注意です。特に皮膚科や形成外科に通院しておらず、外科的な治療のみで終わった場合には、見た目について主治医が関心を持っておらず、傷痕が残っていても後遺障害の診断から漏れるケースがあります。
醜状障害は、傷痕が残った部位、大きさで判断できるものですので、弁護士でもある程度どれくらいの等級になりそうかの見通しが立ちやすい障害でもあります。ご自身の傷痕が後遺障害に該当しそうかどうか気になる方は是非ご相談ください。ただし、醜状障害といえるためには最低でも事故から6か月以上経過している必要があります。

2 眼の障害

眼(眼球及びまぶた)の障害には、イメージしやすいものとしては、視力の障害などがありますが、眼の障害は下記のように分類されます。

眼球の障害

視力障害

最も重いもので両眼の失明(1級)があり、一番軽いものでは片眼の視力が0.6以下になったもの(13級)があります。
ここでの視力は矯正視力で判断しますが、矯正不能な場合は裸眼視力を判定に用います。

調節機能障害

ピントが合いにくい、といった障害です。
調整力が通常の1/2以下に減じたものが後遺障害として認定さ れます。

運動障害

運動障害とは、眼球の注視野の広さが1/2以下に減じたものをい います。注視野は頭部を固定し、眼球を運動させて直視することのできる範囲で判断します。
運動障害に分類されるものとして、「複視」もあります。複視は物が2重に見えるといった症状が現れますが、これはヘススクリーンテストの所見で判断されます。

視野障害

視野障害には視野狭窄や半盲症(視野の左右のどちらか半分が見えなくなる障害)、視野変状があります。
視野はゴールドマン型視野計により測定できます。

まぶたの障害

欠損障害

まぶたの欠損により、まぶたを閉じても角膜が完全に覆えない状態(著しい欠損)、あるいは角膜を完全に覆うことはできるが球結膜が露出しているも状態(一部の欠損)が該当します。
また、まつげの1/2以上にわたる欠損も欠損障害に該当します。

運動障害

まぶたの麻痺などの運動障害によって、まぶたを開けてもまぶたが瞳孔領を完全に覆ってしまうもの、または、まぶたを閉じたときに角膜を完全に覆うことができないものが該当します。

3 耳の障害

耳の障害の代表的なものは聴力障害(難聴)です。
聴力障害は、純音聴力レベルと語音による聴力検査結果(明瞭度)を基礎として認定されます。簡単にいいますと、純音聴力レベルはどれくらいの大きさの音が聞こえなくなったのかにより難聴の程度を測定するものです。他方、語音による聴力検査は、音の大きさではなく語音を聞き分ける能力を明瞭度で測ります。明瞭度が低いと、音は聞こえるけど、何を言っているかわからない、ということになります。

4 鼻の障害

後遺障害等級認定表に規定されている鼻の障害は「鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの」(9級)のみとなっています。これは、鼻軟骨部の全部又は大部分を欠損し、かつ、鼻呼吸困難又は嗅覚脱失状態となった場合をいいます。
この鼻の障害は鼻の欠損があることが要件となっていますが、鼻の欠損を伴わない機能障害もあります。この鼻の欠損を伴わない機能障害(鼻呼吸困難、嗅覚障害)については等級表を準用する形で12級又は14級が認定される場合があります。
嗅覚障害には嗅覚脱失と嗅覚の減退がありますが、これを調べるにはT&Tオルファクトメータによる基準嗅力の認知域値の平均嗅力損失値により判定されます。
嗅覚障害の検査には、アリナミン静脈注射による静脈性嗅覚検査もありますが、この検査では嗅覚脱失は確認することができますが、嗅覚の減退を確認することはできないので注意が必要です。また、アリナミン静脈注射の検査の中で、「アリナミンF」の検査では後遺障害等級認定はできませんのでこれも要注意です。
嗅覚障害を調べるために間違いのない検査としては、T&Tオルファクトメータ検査を受けるのがベストですが、大きい病院でないと実施していない場合がありますので、事前に病院に確認していくのがいいでしょう。

5 口の障害

口の障害には、そしゃく及び言語の機能障害、歯牙の障害、味覚障害などがあります。
そしゃくの機能障害については、上下咬合及び排列状態並びに下顎の開閉運動等に障害があり、これによって、流動食以外は摂取できないもの、粥食又はこれに準ずる程度の飲食物以外は摂取できないもの、固形食物のなかで一定の硬さの食物がそしゃくできないなどの制限の程度に応じて等級が認定されます。
言語の機能障害については、4種の語音(口唇音、歯舌音、口蓋音、喉頭音)のうちのいずれかが発音不能となり、何種以上発音不能となるかによって、障害の程度が変わります。
そしゃく及び言語の機能障害は、合わせて評価され、それぞれの障害の程度の組み合わせにより等級変わります。(例:そしゃく及び言語の機能を廃したもの→1級、そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの→10級)
歯牙の障害は、歯科補てつを加えられた歯の数に応じて等級が認定されますが、最も低い14級で3歯以上の歯科補てつが加えられていることが必要となります。
味覚障害(味覚脱失・味覚減退)については、頭部外傷その他顎周囲組織の損傷又は舌の損傷を原因とするものが等級認定の対象となりますが、味覚障害の程度を調べるのに必要な検査は、基本4味質(甘味・塩味・酸味・苦味)について、ろ紙ディスク法における最高濃度液による検査となります。この検査は、病院によって実施していないところもありますので、事前に病院に確認してからいくのがいいでしょう。